「結婚したくない」と考える女性が増えている背景には、多様な価値観やライフスタイルの変化が影響しています。今回は「結婚したくない」と感じる女性の特徴や理由、そしてそれに伴う不安について、わかりやすく解説します。
1. 「結婚したくない」と思っている女性の割合
まず、「結婚したくない」と考える女性の割合について触れてみましょう。色んな調査がある中で今回はOggi編集部が20〜30代の女性100人に実施したアンケートによると、「結婚したくない」と回答した女性は39.2%、「結婚したい」と答えた女性は60.8%でした。結婚を夢見る女性が多数派であるものの、約4割が結婚に前向きでないという結果が見えました。
また、2021年の「出生動向基本調査」では、「一生結婚するつもりはない」と答えた女性が14.6%と、これも過去最高を記録しています。このように、結婚に対する意識が変わりつつあることがデータからも読み取れます。
2. 「結婚したくない」と思う女性の特徴
「結婚したくない」と考える女性には、いくつか共通した特徴が見られます。主に以下の5つのポイントが挙げられます。
2-1. 自立している
まず、自立した女性は結婚に対して消極的な傾向があります。経済的に安定し、自分のキャリアを築いている女性は、生活のすべてを自分で管理できるため、パートナーに頼る必要性を感じにくいのです。彼女たちは、男性に依存せずに自分の時間や生活を大切にすることができているため、「結婚が必須ではない」と考える傾向があります。
2-2. プライベートが充実している
友人との交流や趣味など、プライベートが充実している女性も「結婚したくない」と感じることがあります。独身であることで自由な時間を存分に楽しめているため、恋愛や結婚に時間を割く余裕がないのです。たとえば、趣味に没頭している人や、ペットを飼っている人などがこの傾向にあります。
2-3. ひとりで過ごすことが好き
ひとりの時間を大切にする女性も結婚に対して慎重です。「自分のペースで生活すること」が重要な彼女たちは、他人と共同生活を送ることがストレスに感じる可能性が高いため、結婚願望が生まれにくいのです。
2-4. 男性への理想が高い
理想の男性像が明確で、その条件が非常に高い女性も「結婚したくない」と感じやすいです。「高収入」「高学歴」「高身長」など、妥協せずに多くの条件を設けている場合、理想に合った相手に出会えない限り、結婚を考えないという姿勢を持っています。
2-5. 恋愛にトラウマがある
過去の恋愛で浮気をされたり、両親の不幸な結婚生活を見聞きした経験がある女性は、恋愛や結婚に対してネガティブな感情を持つことがあります。こうしたトラウマが原因で、結婚に対して消極的になるケースも少なくありません。
3. 女性が「結婚したくない」と思う理由
女性が「結婚したくない」と感じる背景には、さまざまな理由があります。ここでは、その代表的な理由を紹介します。
3-1. 自由を制限されたくない
結婚することで、自由な時間やライフスタイルが制限されることを恐れる女性は少なくありません。自分のペースで生きることを重視する人にとって、結婚がその自由を奪う可能性があると感じるのです。特に、長い間独身で自由に生活してきた女性にとって、結婚生活は大きな変化であり、それを避けたいと考える人が多いようです。
3-2. 面倒くさいことが増える
結婚には家事や子育て、相手の家族との関係など、さまざまな責任が伴います。これらの責任や義務が増えることを「面倒くさい」と感じる女性もいます。特に、自分の生活を自分で管理し、ストレスなく過ごしている女性にとって、これらの負担は結婚のネガティブな側面として映ることがあります。
3-3. 結婚に対するネガティブなイメージ
結婚に対するマイナスのイメージを抱いている女性も少なくありません。既婚者から聞く「自分の時間がなくなる」「責任が重い」といった愚痴や、周囲の不幸な結婚生活を見聞きすることで、結婚そのものに魅力を感じなくなることがあります。
3-4. 金銭面に対する不安
結婚生活に伴う金銭面の不安も大きな理由の一つです。経済的な安定がなく、貯金も十分でないと、結婚後の生活が苦しくなるのではないかという懸念があります。また、相手との金銭感覚の違いがあると、結婚生活に支障をきたすのではという不安も根強いです。
3-5. 恋人との現状に満足している
結婚はしないが、恋人との関係には満足しているという女性もいます。このタイプの女性は、形式にこだわらず、今の関係性をそのまま維持したいと考えています。「結婚しなくても一緒にいられればそれで良い」というスタンスで、結婚に固執しないのです。
3-6. 両親との関係性が煩わしい
結婚することで両親や義理の両親との関係が複雑になることを嫌う女性もいます。特に、親との関係があまり良くない場合や、義理の両親との付き合いが面倒に感じることが結婚を避ける理由の一つです。
3-7. 結婚したいと思える相手がいない
「結婚したいと思える相手に出会っていない」というシンプルな理由も存在します。本当に好きだと思える人に出会えていなかったり、恋愛経験が少ないことで、結婚願望が芽生えない場合もあります。
4. 「結婚したくない」と思う女性にも不安はある
「結婚したくない」と強く思っている女性であっても、将来や老後に対して不安を感じることはあります。ここでは、そうした不安について見ていきましょう。
4-1. 将来や老後が心配になる
独身でいる場合、老後に誰かに頼ることができないという不安がつきまといます。結婚していればパートナーと共に老後を迎えることができる可能性がある一方で、独身の場合は自分でしっかりと老後資金を準備しなければなりません。こうした不安は、特に高齢になるほど強まることがあります。
4-2. 孤独感や不安を感じる
周囲が結婚して家庭を持つ中で、自分だけが独身でいることに孤独感を感じることもあります。結婚を避けてきた女性でも、ふとした瞬間に「一人でいることが不安」だと感じることがあるのです。
4-3. 世間体を気にする
結婚していないことで周囲の目が気になることもあります。特に、日本では結婚が一般的なライフイベントとして見なされているため、独身でいることに対するプレッシャーを感じることがあります。
5. まとめ
「結婚したくない」と感じる女性が増えている背景には、個々の価値観やライフスタイルの多様化が大きく関係しています。自立し、プライベートが充実している女性にとって、結婚は必ずしも幸せの形ではないと考えられるようになりました。しかし、将来に対する不安を感じることもあり、自分自身のライフプランをしっかりと考えることが重要です。結婚がすべてではなく、自分らしい生き方を選ぶことが尊重される時代が到来しています。
そして現代においては、昔に比べて結婚に適した相手に出会いにくくなっている理由をわかりやすくまとめると、以下のような要因が挙げられます。
まず、数十年前のお見合い結婚が主流だった時代には、多くの人が自然と結婚する環境にあり、結婚できないという悩みはほとんどありませんでした。出会いの機会が限られていたため、周囲の人々が結婚相手として魅力的に見えやすく、選択肢が狭かったことが背景にあります。しかし、現在ではマッチングアプリなどで出会いの機会が豊富に増えた一方で、多くの人が「もっと良い人がいるかもしれない」と思うようになり、結婚に対する基準が高まっています。そのため、妥協してまで結婚したくないという考えを持つ女性が増加し、結果的に結婚が難しくなっています。
さらに、日本社会には古くからの価値観が残っており、結婚に対して強いプレッシャーを感じることも少なくありません。特に、「きちんとした相手と結婚する」という期待が強く、例えば非正規雇用の男性との結婚に対しては周囲から否定的な意見を受けることが多いのです。このような社会的圧力も、結婚が難しくなる一因です。
また、男性間での所得格差が広がっていることも無視できません。正規雇用の男性の年収は、年齢が上がるごとに増加していますが、非正規雇用や未婚男性の年収はそれほど伸びていません。2022年の統計によると、正規雇用の既婚男性の年収中央値は、若い世代では424万円、年齢が上がると667万円に増加しますが、未婚男性はその伸びが限定的であり、若い世代では366万円からしか増えません。このような所得の違いからも、結婚に適したとされる男性の数が少なくなっているのです。
加えて、女性が結婚相手に求める理想の年収は500万円以上という調査結果もあります。これにより、収入が500万円以上の男性が少ないため、結婚相手として求められる条件を満たす男性の数はさらに限られてしまいます。
このような状況から、昔に比べて結婚に適した相手を見つけることが難しくなっていると言えます。社会的なプレッシャーや経済的な要因が重なり、結婚が難しくなる傾向が続いているのかもしれません。