豊田兼選手(慶應義塾大学4年生・セイコーサポートアスリート)はかなり異色のハードラーです。110mHと400mH 、400mまで学生トップクラスの選手であり、2023年8月に中国で行われた第31回FISUワールドユニバーシティゲームズの男子110mHで初タイトルとなる学生世界一に輝き、(世界大会における男子110mHでの金メダルは世界選手権・五輪を通しても日本初の快挙)
同年9月に行われた第92回日本学生陸上競技対校選手権大会の400mHでは、48秒91で同着優勝を果たし学生日本一となった。
2024年5月に行われたセイコーゴールデングランプリ陸上2024東京の400mHでは、48秒36の自己記録で優勝。2024年7月の第108回日本陸上競技選手権大会では日本人3人目の47秒台の47秒99で優勝。
主な戦歴
2021年 | 第37回U20日本陸上競技選手権大会 110mH(JH) 第3位 |
2022年 | 第91回日本学生陸上競技対校選手権大会 400m 第3位 |
布勢スプリント2022(日本GP) 110mH 第3位 | |
第91回日本学生陸上競技対校選手権大会 400mH 準優勝 | |
2023年 | 2023日本学生陸上競技個人選手権大会 110mH 優勝 |
第36回南部忠平記念陸上競技大会 110mH 優勝 | |
第31回FISUワールドユニバーシティゲームズ 110mH 優勝 | |
第92回日本学生陸上競技対校選手権大会 400mH 優勝 | |
Yogibo アスレチックスチャレンジカップ2023 400mH 優勝 | |
2024年 | 第103回関東学生陸上競技対校選手権大会 400m 優勝 |
セイコーゴールデングランプリ陸上2024東京 400mH 優勝 | |
第108回日本陸上競技選手権大会 400mH 優勝 |
自己記録
110mハードル | 13秒29 | (2023年 第31回FISUワールドユニバーシティゲームズ) | |
400mハードル | 47秒99 | (2024年 第108回日本陸上競技選手権大会) | |
400m | 45秒57 | (2024年 第103回関東学生陸上対校選手権大会) |
陸上男子400mH日本歴代TOP10記録
1位:47秒89 為末大 法政大学 エドモントン 2001年8月10日
2位:47秒93 成迫健児 筑波大学 大阪 2006年5月6日
3位:47秒99 豊田兼 慶應大学 新潟 2024年6月28日
4位:48秒26 山崎一彦 デサントTC 大阪 1999年5月8日
5位:48秒34 苅部俊二 富士通 東京 1997年10月5日
6位:48秒41 岸本鷹幸 法政大学 大阪 2012年6月9日
7位:48秒58 黒川和樹 法政大学 ブタペスト 2023年8月21日
7位:48秒58 筒江海斗 スポーツテクノ和広 大阪 2024年5月12日
9位:48秒62 野澤啓佑 ミズノ リオデジャネイロ 2016年8月15日
10位:48秒64 斉藤義彦 綜合カード 熊本 1998年10月4日
世界歴代10傑
1位:45秒94 カールステン・ワーホルム ノルウェー 2001年8月3日
2位:46秒17 ライ・ベンジャミン アメリカ 2021年8月3日
3位:46秒29 アリソン・ドス・サントス ブラジル 2022年7月20日
4位:46秒78 ケビン・ヤング アメリカ 1992年8月6日
5位:46秒98 アブデラマン・サンバ カタール 2018年6月30日
6位:47秒02 エドウィン・モーゼス アメリカ 1983年8月31日
7位:47秒03 ブライアン・ブロンソン アメリカ 1998年6月21日
7位:47秒08 カイロン・マクマスター イギリス領ヴァージン諸島 2021年8月3日
9位:47秒10 サムウェル・マテテ ザンビア 1991年8月7日
10位:47秒19 アンドレ・フィリップス アメリカ 1998年9月25日
世界選手権で2度銅メダルに輝いたのが為末大
2001年エドモントン大会47秒89(現日本記録)と2005年ヘルシンキ大会48秒10で2度銅メダルに輝いた為末大ですらオリンピックでのメダル獲得は叶わなかった。2000年のシドニーオリンピックでは48秒47(当時学生新記録)で予選落ち。2004年アテネオリンピック48秒46準決勝敗退。
為末大は中学3年時に全日中100mと200mの2冠を達成しており、200m予選で当時の日本中学新記録21秒54。同年ジュニアオリンピックでは21秒36と更に自信の持つ中学記録を更に更新。また現在は廃止の3種競技B(400m・走り幅跳び・砲丸投げ)3354点の当時中学日本新記録を樹立しており、混成競技である400mで49秒07はこの年の中学最高記録でもあった。1993年の中学3年時の日本中学ランキングでは100m・200m・400m。走り幅跳び・3種A 100m:10.7砲丸投げ:12m64・走り高跳び1m83)・3種B(400m:49.07・砲丸投げ::12m68・走り幅跳び:6m90)と6種目で1位という前代未聞の金字塔を打ち立てた超天才選手。その後、高校大学と順調に成長した世界でも活躍したエリート選手。
まとめ
現在、世界ランキング7位の豊田兼選手は大学生ながら世界中をダイヤモンドリーグローマ大会: 3位(タイム: 48.37秒)ロンドン大会: 2位(タイム: 48.41秒)で世界の競合と競り合っても負けない実力もつけてきた。そしてまだ大学生で記録も伸び盛りの「異色の2刀流ハードラー」父の祖国で初のオリンピック決勝に挑む。
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